AGA専門医による 髪の毛ブログ

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毛にまつわる都市伝説 part2

毛髪の色調についての都市伝説

本日は、白髪についての都市伝説について医学的な見地から解説していきたいと思います。

 

海藻を食べると髪が黒くなるはウソ?

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海藻、特に昆布やひじきはその外見から「黒髪」を連想させ、髪の毛に良いと古くから言われています。

しかし、もしもこれらを食べることでフサフサした髪の毛が生えるのであれば、白人も黒髪になるはずですが、そうはなりません。特定に食べ物が髪の毛の色調に関与するかのような説には医学的根拠は全くないのです。

そもそも、毛の色調は毛母メラノサイトが産生するメラニン色素によるものです。

飢餓状態や鉄欠乏性貧血などでは毛髪の色が淡くなることがありますが、これは飢餓状態ではメラニンの原料となるフェニールアラニンやチロシンが欠乏することでメラニンの合成が低下するためです。

昆布やひじきがメラノサイトの造成やメラニン産生を亢進させることはなく、白髪のメカニズムもメラノサイト幹細胞が消失することによることが証明されています。

 

白髪を抜くと白髪が増えるはウソ?

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白髪は、毛母メラノサイトの機能低下・消失が原因によることが証明されています。加齢とともにメラノサイト幹細胞が消失する毛根数が増え、その結果、白髪が増します。

白髪を抜いても、白髪はまた再生するので減ることもありませんが。

しかし、抜去により毛根の形状が侵されることで、再生した白髪が変形して波状になることで黒い髪の毛の中で逆に目立つようになることはありえます。

 

ストレスで白髪になる、一晩で白髪になるはウソ?

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円形脱毛症では黒色毛が白髪よりも脱落しやすく、結果として脱毛部が白髪化したようにみえることはありえます。

しかし、ストレスと白髪の因果関係は明らかでなく、そもそも白髪が中年以降に増加し、この年代の方々が社会的立場から精神的・肉体的ストレスに晒されやすいためにこのような俗説が生まれたのではと考えられます。