シャンプーって毎日したほうがいいの?
脱毛とシャンプー
髪を清潔に保つためにシャンプーは欠かせません。しかし、シャンプーのしすぎはは髪を傷める原因となってしまいます。
そもそも、皮脂が毛穴に詰まることで薄毛・脱毛を進行させてしまうと思われがちですが、これは間違いです。
皮脂は髪や頭皮を守るために必要なもので、洗いすぎで髪は痛みやすくなります。また、洗いすぎの結果、不足している皮脂を補うために皮脂腺が発達して、ますます皮脂の分泌が過剰になり、負のサイクルに陥ってしまいます。
シャンプーは夜にしたほうが良い
夜にシャンプーをした場合、寝ている間に皮脂が分泌され髪の表面に薄い皮脂の膜が出来、日中の紫外線や外部刺激から髪を守ってくれます。
朝にシャンプーをしてしまうと、髪の皮脂がない状態で紫外線や外部刺激に晒されることとなり、余計に髪が痛みやすくなるのです。
2-3日に1度の二度洗いを
最初に髪の汚れを洗い流し、次に頭皮をマッサージしながら毛穴の汚れを落とす二度洗いを2-3日に1回行い、頭皮を清潔に保ちましょう。あまりにも頭皮を不潔にしてしまうと、脂漏性皮膚炎などの病気を引き起こしてしまことがあります。
まとめ
シャンプーに限らず「過ぎたるは及ばざるが如し」。なんでもほどほどが肝心です。薄毛が気になってくるとどうしても過剰にヘアケアをしたくなるものですが、そんな時こそいつも通りを心がけるようにしてみてください。
かつら
かつら
かつらはかぶるだけで高い頭髪密度が得られ、広い範囲の薄毛をカバーできるという点で非常に分かりやすい薄毛対策だと言えます。
しかし、「人前で取れたらどうしよう」という不安がつきまとい、かぶらない時との落差が大きいことがネックになります。
かつらのデメリット
デメリット① 落ちやすい・ずれやすい
かつらも日進月歩で性能が良くなってきているので、すぐに落ちたり取れたりということはありませんが、常にこの不安を感じながら生活していたのでは外に出るのも億劫になって今います。
デメリット② メンテナンスに費用がかかる
耐久年数は長くて5年、数ヶ月に1回メンテナンスが必要な場合もあり、サブのかつらの用意も必要になります。
デメリット③ 脱毛の原因になることも
長時間装着していると蒸れて髪にカビが生えることも。それが原因で脱毛につながる恐れがあります。
デメリット④ 不自然な印象を与えてしまう、突然髪がフサフサに
特に生え際の不自然さが目立つことがあります。
まとめ
脱毛の原因によっては、内服治療や植毛も困難な場合もあり得ます。
かつらは薄毛対策の一つとして有効であるものの、AGA早期の方であればまずはお薬による治療をオススメすることが多いのが実情です。
毛髪先進国アメリカでの調査
国際毛髪外科学会による調査
アメリカの国際毛髪外科学会による調査では、医師のもとに訪れた85.4%が実に「遺伝による毛の喪失」すなわちAGAであることがわかっています。
薄毛は徐々に進行する
薄毛は徐々に進行していきます。頭髪の密度が100%から60%に減少する間は、毛の隙間から地肌が見えることもなく、本人も他人もあまり気にならない状態です。
60%以下になると、お風呂上がりの濡れた毛を見て「あれ?なんか髪の毛が薄くなってきたかな?」と気づくようになります。
40%以下になると薄毛を自覚され、他人にも指摘されるようになります。
多くの方はこの40%以下になった段階でクリニックを訪れますが、何歳くらいの方が多いのでしょうか??
30~40代の働き盛りの年代が最も多い
実際に治療を受けられている方の年齢別割合は男性が30代で30.4%、40代で26.3%で過半数を占めています。50代になると15.4%とグッと減り、60代では7%に止まります。
30~40代はややAGAが進行し、薄毛の自覚が始まる時期と言えます。また、第一線でバリバリと仕事をしている年代なので、仕事先の方に与える印象が非常に重要な時期でもあり「薄毛をなんとかしたい」と思われる方が多いのではないかと考えられます。
薄毛治療を初めて受ける年齢は?
初めて薄毛治療を受けた年代は30代が最も多くて58%、次いで40代が25%、三番目は意外にも20代で9%で、50代以降の方は7%という結果が出ています。
大事なのは早期発見早期治療
症状が早期のうちは治療の選択肢も多く、負担が少なく治療の効果も出やす傾向にあります。薄毛対策は何歳からでも可能です、気になった時はまずはクリニックで相談して見てください。
AGAの鑑別診断 粃糠性脱毛症について
脂漏性皮膚炎
フケにお悩みの方、実はフケも脱毛につながることがあります。
一般に言う「フケ症」とは、脂漏性皮膚炎の軽いものを指します。
脂漏性皮膚炎とは皮脂が過剰に分泌した結果、皮膚に棲むカビが皮脂を分解してこの病気を引き起こします。
頭部に脂漏性皮膚炎を起こすと、髪が細くなったり、灰白色で鱗のようなフケが出てきます。そして次第に脱毛を引き起こし、これを「粃糠性脱毛症」と呼びます。
なぜ脱毛に?
フケが異常なまでに大量に出てくることで、フケ自体が毛穴を塞いでしまうこと、そして頭皮の常在菌であるマラセチアが大漁に増殖することでかゆみと炎症がひどくなり、抜け毛が多くなると考えられています。
原因は?
ハッキリとした原因は分かっていませんが、ストレスやホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れなどで頭皮の角質に異常が生じてしまうと考えられています。
治療方法
かつてはステロイドの塗り薬を使用されてきましたが、ステロイドの副作用を懸念し、現在ではケトコナゾール外用薬を使用することが多くなってきています。
ケトコナゾールはもともと白癬やカンジダ症などの真菌(カビ)で起きる感染症の治療薬でしたが、粃糠性脱毛症にも有効であることがわかってきています。
まとめ
男性の場合、20代以降はAGAと粃糠性脱毛症が併発して抜け毛の進行をさらに早めてしまう可能性があります。生え際・頭頂部以外にも頭皮全体の髪の毛が薄くなり、フケを伴う場合は粃糠性脱毛症も考慮した治療が必要となります。
毛にまつわる都市伝説 part2
毛髪の色調についての都市伝説
本日は、白髪についての都市伝説について医学的な見地から解説していきたいと思います。
海藻を食べると髪が黒くなるはウソ?
海藻、特に昆布やひじきはその外見から「黒髪」を連想させ、髪の毛に良いと古くから言われています。
しかし、もしもこれらを食べることでフサフサした髪の毛が生えるのであれば、白人も黒髪になるはずですが、そうはなりません。特定に食べ物が髪の毛の色調に関与するかのような説には医学的根拠は全くないのです。
そもそも、毛の色調は毛母メラノサイトが産生するメラニン色素によるものです。
飢餓状態や鉄欠乏性貧血などでは毛髪の色が淡くなることがありますが、これは飢餓状態ではメラニンの原料となるフェニールアラニンやチロシンが欠乏することでメラニンの合成が低下するためです。
昆布やひじきがメラノサイトの造成やメラニン産生を亢進させることはなく、白髪のメカニズムもメラノサイト幹細胞が消失することによることが証明されています。
白髪を抜くと白髪が増えるはウソ?
白髪は、毛母メラノサイトの機能低下・消失が原因によることが証明されています。加齢とともにメラノサイト幹細胞が消失する毛根数が増え、その結果、白髪が増します。
白髪を抜いても、白髪はまた再生するので減ることもありませんが。
しかし、抜去により毛根の形状が侵されることで、再生した白髪が変形して波状になることで黒い髪の毛の中で逆に目立つようになることはありえます。
ストレスで白髪になる、一晩で白髪になるはウソ?
円形脱毛症では黒色毛が白髪よりも脱落しやすく、結果として脱毛部が白髪化したようにみえることはありえます。
しかし、ストレスと白髪の因果関係は明らかでなく、そもそも白髪が中年以降に増加し、この年代の方々が社会的立場から精神的・肉体的ストレスに晒されやすいためにこのような俗説が生まれたのではと考えられます。
髪の毛の構造
毛髪は3つの層で出来ている
「キューティクル」という言葉は耳馴染みがあると思いますが、それ以外はよく知らない。という方も多いと思います。
髪の毛の構造や特性を理解していれば、適材適所のお手入れも可能です。
コルテックス
水と馴染みやすい性質を保ち、パーマやヘア・カラーは主にこの部分に作用します。
メデュラ
パーマのかかりやすさ、太さに関係すると言われています。
キューティクル
毛髪表面を覆う、透明で硬いうろこ状の組織です。4-6枚が重なり、外部刺激から保護します。
毛髪の構成成分
毛髪のほとんどはケラチンと呼ばれるタンパク質が主成分になります。このケラチンはほかのタンパク質にはあまり存在しない「シスチン」というアミノ酸を多く含んでいるのが特徴です。
構造から見えてくる4つの敵
毛髪を美しく整えるためには、上記のような髪の毛の構造を知った上で、髪の毛を傷つけてしまうダメージ要因を避けることが大切になります。
1.熱
髪の毛はとても熱に弱く、乾いた状態では180℃、湿った状態では130℃からタンパク質に変性を起こし、様々なダメージが現れてきます。
髪が水分を含んでいると低温でもダメージを受けやすいため、アイロンで濡れた髪をスタイリングする時は温度設定にも注意が必要です。
2.摩擦
濡れた髪は最も弱い状態です。髪を乾かさずに寝ると、摩擦でキューティクルが剥がれてしまいます。また、髪が乾いていても、硬いブラシを使った無理なブラッシングは避けてください。
3.ヘア・カラー・パーマ
ヘア・カラーやパーマといった化学処理をするとアルカリ剤の影響でキューティクルが溶け、髪の毛が1回で約0.03mm細くなると言われています。
施術後の髪はデリケートなので、いつも以上に優しいケアが必要です。
4.紫外線
皮膚と同じく、毛髪にとっても紫外線は大敵です。キューティクルを構成するタンパク質を変性させ、ダメージが進むと毛髪内部を空洞化してしまいます。
まとめ
美しく健やかな髪の毛をキープするためには、お肌を美しく保つのと同様に多面的なケアが必要になります。薄毛治療はお薬が中心になりますが、同時にヘアケアの知識も身につけていただければと思います。
AGAの鑑別診断 休止期脱毛症について
休止期脱毛症とは?
・生理的な脱毛を逸脱した大量の成長期毛が同時、または徐々に休止期になり脱毛します。
・急性と慢性に区別され、発症要因がはっきりしない特発性がかなりの割合を占めます。
http://www.aderans.co.jp/corporate/rd/sp/about04.html
休止期脱毛症の原因
・出産
・ストレス(外相・手術・発熱・感染症・ダイエット・大出血・心理ストレス)
・薬剤
・内臓疾患(鉄欠乏性貧血・甲状腺機能異常・肝障害・腎障害・膠原病・亜鉛欠乏症)
出産後脱毛
・出産後に起きるびまん性脱毛症は分娩後2−3ヶ月後から生じることが多いと言われています。
・出産後にエストロゲンなどの女性ホルモン濃度が妊娠前の状態に戻ることで脱毛すると考えられています。
・出産後6ヶ月で脱毛数は正常に回復し、治療しなくても自然軽快することがほとんどです。
http://xn--08j362heja426b9sd25ra711q9yx.jp/img/belta-hormone.jpg
ストレスによる休止期脱毛症
・上記の誘引から脱毛の発症まで2−3ヶ月あることが多く、詳細な病歴の聴取が必要になります。
診断
・AGAと異なり急性・びまん性に発症することが多いと言われています。
・貧血などの内科疾患に伴って生じている場合もあるので、休止期脱毛症が疑われる場合は血液検査も必要です。
・ただし、誘因がはっきりしない場合も少なくありません。
治療
原因がわかった場合は原因の除去・回避が大切です。その場合、自然軽快することが多いですが、改善まで時間のかかることもあります。
まとめ
一言で薄毛と言っても、AGA以外にも考えなければならない疾患は数多くあります。内科疾患を伴っていることもあるので、心配な時は医師に相談しましょう。