AGA専門医による 髪の毛ブログ

AGA専門医が 脱毛症・髪の毛について発信していきます。

AGAの鑑別診断 粃糠性脱毛症について

脂漏性皮膚炎

フケにお悩みの方、実はフケも脱毛につながることがあります。

一般に言う「フケ症」とは、脂漏性皮膚炎の軽いものを指します。

脂漏性皮膚炎とは皮脂が過剰に分泌した結果、皮膚に棲むカビが皮脂を分解してこの病気を引き起こします。

頭部に脂漏性皮膚炎を起こすと、髪が細くなったり、灰白色で鱗のようなフケが出てきます。そして次第に脱毛を引き起こし、これを「粃糠性脱毛症」と呼びます。

 

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なぜ脱毛に?

フケが異常なまでに大量に出てくることで、フケ自体が毛穴を塞いでしまうこと、そして頭皮の常在菌であるマラセチアが大漁に増殖することでかゆみと炎症がひどくなり、抜け毛が多くなると考えられています。

 

原因は?

ハッキリとした原因は分かっていませんが、ストレスやホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れなどで頭皮の角質に異常が生じてしまうと考えられています。

 

治療方法

かつてはステロイドの塗り薬を使用されてきましたが、ステロイドの副作用を懸念し、現在ではケトコナゾール外用薬を使用することが多くなってきています。

ケトコナゾールはもともと白癬やカンジダ症などの真菌(カビ)で起きる感染症の治療薬でしたが、粃糠性脱毛症にも有効であることがわかってきています。

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まとめ

男性の場合、20代以降はAGAと粃糠性脱毛症が併発して抜け毛の進行をさらに早めてしまう可能性があります。生え際・頭頂部以外にも頭皮全体の髪の毛が薄くなり、フケを伴う場合は粃糠性脱毛症も考慮した治療が必要となります。